「生成AIのセミナーを企画したいが、
会員企業のITリテラシーがバラバラで不安」
これは、商工会・業界団体・金融機関・支援機関のご担当者から、
実際によくいただくご相談です。
株式会社アルパカでは、中小企業向け生成AIセミナーにおいて、
ツールの話に入る前に、必ず最初に伝えている3つのことがあります。
本記事では、登壇レポートとして
その内容と考え方をまとめます。

なぜ生成AIセミナーで「最初の話」が重要なのか
多くの生成AIセミナーは、
- ChatGPTの操作方法
- プロンプトの工夫
- 最新AIツールの紹介
から始まります。
しかし中小企業向け、特に団体・組合主催の場では、
この進め方は失敗しやすいのが実情です。
理由は単純で、
- ITが得意な人と苦手な人の差が大きい
- 置いていかれた瞬間に、聞くのをやめてしまう
からです。
そのため私たちは、
あえてツールの話から入りません。
①「生成AIは、魔法でも特効薬でもありません」
セミナー冒頭で、必ずこのようにお伝えします。
「生成AIを入れれば、
いきなり業務が良くなるわけではありません」
中小企業の現場では、
- FAX
- 紙
- Excel
- 口頭伝達
が今も当たり前に使われています。
この状態で生成AIだけを導入すると、
かえって業務が複雑になり、混乱するケースが少なくありません。
生成AIは、
今ある業務を整理した“あと”に効く道具
だという前提を、最初に共有します。
②「AI以前に、人が詰まっている場所があります」
次にお話しするのが、
生成AI導入でつまずく企業に共通するポイントです。
それは、
- 情報が特定の人の頭にしかない
- 判断理由や手順が共有されていない
- 担当者が不在だと業務が止まる
といった、属人化の問題です。
この状態のまま、
- AIを導入する
- DXを進める
と、現場の負担はむしろ増えます。
セミナーでは、
「AIを入れる前に、
どこで“人が止まっているか”を見つけましょう」
という話を、具体例を交えてお伝えします。
この時点で多くの参加者が、
自社の課題を自分ごととして捉え始めます。
③「全部変えなくていい。小さく始めていい」
最後に必ず伝えるのが、
中小企業に合った進め方です。
- いきなり全面DXしない
- 今のやり方を否定しない
- 紙・FAX・Excelは前提でOK
生成AIは、
「まず1業務、1工程だけ」
から始めるのが、最も失敗しません。
この話をすると、
- 表情が和らぐ
- メモを取り始める
- 質問が増える
といった変化が、はっきりと見られます。
セミナーで「あえて話さないこと」
本セミナーでは、次の内容はあえて深掘りしません。
- 高度なプロンプト技術
- ツール比較・最新AI動向
- 専門用語の多用
理由は明確で、
団体・組合主催のセミナーでは
「全員がついてこれること」が最優先だからです。
参加者・主催者からの反応
セミナー後には、次のような声を多くいただきます。
- 「AIの話なのに、現場の話だった」
- 「これなら自社でも説明できそう」
- 「売り込み感がなくて安心した」
主催者の方からは、
「会員企業に紹介しやすい内容だった」
「次回もお願いしやすい構成だった」
という評価をいただくことが多くあります。
登壇実績(一部抜粋)

中小企業・製造業を中心とした団体・支援機関にて、
「現場を置いていかない生成AI活用」をテーマにしたセミナー登壇を行っています。
ヤンマー生産性協議会 セミナー
製造業を中心とした会員企業向けに、
生成AIを「導入する前に考えるべき業務整理」の視点から解説。
▶ 登壇レポート
https://al-pa-ca.com/yanmarseieikai-seminar/
徳島県産業振興機構 セミナー
県内中小企業向けに、
IT・DXに不慣れな企業でも取り組める生成AI活用の考え方を紹介。
▶ 登壇レポート
https://al-pa-ca.com/tokushima-seminar/
JAPAN PACK 2025 生成AI講演
製造・包装業界向け展示会にて、
紙・FAX・Excelが残る現場での生成AI活用をテーマに講演。
▶ 講演詳細
https://al-pa-ca.com/japanpack2025-ai-document-seminar/
どんな団体・組合に向いているか
本セミナーは、以下のような主催者様に特に適しています。
- 商工会・商工会議所
- 業界団体・協同組合
- 金融機関主催セミナー
- 自治体・支援機関
ITが得意でない会員企業が多い場ほど、相性が良い内容です。
セミナー内容の調整について
- 業種(製造業/卸売業/商社など)
- 参加者のITリテラシー
- セミナー時間(30分〜90分程度)
に応じて、
内容・事例・言葉遣いはすべて調整可能です。
「うちの会員に合う内容かどうか」
その確認だけでも問題ありません。
まとめ
中小企業向け生成AIセミナーでは、
- 生成AIを過度に期待させない
- AI以前の課題に目を向ける
- 小さく始める安心感を伝える
この3点を最初に伝えることで、
参加者も主催者も「安心して聞ける場」を作っています。
登壇・セミナーに関するご相談
内容や難易度のすり合わせ、
過去の事例のご紹介のみでも対応可能です。
