紙・Excel・メール・PDF・写真・CSV。まずはこれらを同じ項目名で整え、「一枚台帳」に集めるだけで、検索と比較が一気に速くなります。この記事は、現場で効く最短手順と小さな活用例に絞って解説します。
結論
ビッグデータは大げさな投資の話ではありません。記録を同じ項目でそろえ、一枚の台帳で見られるようにする。これが出発点です。目標はシンプルに、再入力ゼロ/検索1分以内です。
今やる理由(3つ)
- 人手不足だから:ベテランに聞かないとわからない、という依存した仕事をやめ、検索時間を短縮。
 - 過去履歴や根拠で見積がぶれない:過去履歴から代替案や見積根拠を即提示。
 - 粗利が安定:原価・工数・不良の“勝ちパターン”を再利用。
 
対象と到達点(現場の言葉で)
- 対象:不良票/検査成績/日報/受発注メール/PDF/写真/既存システムのCSV
 - 共通キーの例:日付/品番/品名/寸法/材質/数量/工程/担当/判定/理由
 - 到達点:一枚台帳で「製品・工程・期間」を切り替え、1分で検索・集計・比較
 
最短手順(5ステップ)
1)現状の棚卸し(1時間)
誰が・どの帳票を・なぜ作り・どこへ転記しているかを書き出します。
ToDo:直近1か月分の帳票を机に並べ、転記の流れに赤線を引く。
2)項目の統一(名前を合わせる)
共通キーを固定します:日付/品番/品名/数量/工程/担当/判定/理由。
ToDo:呼び名を統一し、表記ゆれ禁止を1行ルールで明文化。
3)一枚台帳に集約(まずは表計算で十分)
別シートに分けず1シートに集め、フィルタビューで見せ分けます。
ToDo:「製品別/工程別/期間別」の3つのビュー(閲覧画面)を作る。
4)1テーマ×3週間の試行
例:不良の再発防止/見積の根拠整備。
ToDo:週1で使っていない項目を削る。入力負担を軽くする。
5)定着の工夫(朝会5分)
30秒動画×3本(入力/検索/共有)で使い方を回す。紙マニュアルは最小限。
ToDo:朝会で「先週の学び」を1つ共有し、項目定義を微修正。
設計の基本:品番と品名は必ず分ける
- 品番=主キー:ユニーク。原価/在庫/改定(Rev)/クレーム追跡の軸。必須・重複禁止。
 - 品名=表示名:検索の入口。手入力は原則禁止、マスタ自動補完を基本に。
 - 取引先品番:別カラムで保持(互換検索用)。
 - 検索の型:品番=完全一致、品名=部分一致。
 
例)品名「M8 六角ボルト」→ 品番「AB-0008」「AB-0008B(黒)」、取引先A品番「X-8H」。改定(Rev.A→Rev.B)は品番で識別し、履歴を追う。
小さな活用例(3つ)
1)不良票+写真
- ためる:不良票/不良写真/理由タグ(3種類に限定)
 - 見る:工程×時間帯で集計
 - 決まる:再発条件が見え、対策の優先順位が固まる
 
2)見積履歴+実績原価CSV
- ためる:見積履歴と実績原価(CSV)
 - 見る:差分(見積−実績)を自動抽出
 - 決まる:ブレ要因(材料/外注/段取り)を特定し、見積精度が上がる
 
3)受注メール+在庫台帳
- ためる:受注メール情報と在庫台帳
 - 見る:受注の山と欠品タイミングを重ねる
 - 決まる:前倒し発注の基準が定まり、欠品と在庫過多コストが下がる
 
よくある落とし穴と対策
- ITツール先行(買ってから用途探し):先に目標を置く(再入力ゼロ/検索1分以内など)。
 - 担当者丸投げ:工程ごとに台帳オーナーを任命。月1の棚卸し会議で軽量更新。
 - 項目が増えすぎ:週1の“削る会”で不使用項目を廃止。「使うために最小限」。
 
チェックリスト(始める前に)
- 目的は明確か(不良再発防止/見積ブレ低減/欠品抑制)
 - 共通キー(品番・品名・工程など)は決まっているか
 - 一枚台帳で管理する前提になっているか
 - 週1回の見直し時間(15分)を確保しているか
 - 権限ルール(見せる/見せない)は簡潔か
 
まとめ3つ
- 記録(紙・Excel・メール等)を整え、一枚台帳に集める。
 - 品番=主キー/品名=表示名。品名はマスタ自動補完。
 - 目標は再入力ゼロ/検索1分以内。まずは1テーマ×3週間から。
 
次の一歩
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